ヴァイオリンの始め時

 

 ある日、皆さんが自分のお子さまに、何か習い事を始めさせようと考えたとします。

 その時、一番最初に考えることは、”その習い事は、何歳から始めるのがベストだろうか?”ということかではないでしょうか。実際、体験レッスンの際によく聞かれる質問です。

 ヴァイオリンの場合、一般的な答えとして、3~6歳の間に始めるケースが主流かと思います。

 楽器を演奏することは、手をはじめとする身体を使った動きをするため、始める年齢がゴールデンエイジである上記に当てはまると、上達がスムーズに進んでいく場合が多いです。(もちろん、この年齢に始めなくては上達が見込めないということでは決してありません!そのことは別の機会に)

 

 では、3歳で始めたほうが、もっと上の年齢で始めるより上達がより速いのかと聞かれると、イエスでありノー。つまりその子によります。

 その子自身の気質が大人しい、または上の兄弟が楽器をしていて、レッスンでどういうことをするのか知っているようなケースは、3歳でも比較的スムーズにレッスンが出来ると思います。それ以外のケースだと、3歳の子供が、30分のレッスンを集中して行なうことはほとんど不可能です。ただ、大事な点は、仮に3歳の時には中々レッスンが難しかったとしても、1年、2年と経つと、皆例外なくレッスンに集中できています。

 

 今までのレッスンで生徒達から学んだことの一つとして、子どもの成長は、目の前の今だけを見るのではなく、1年、2年、その先の未来を見るということです。今できないことも、未来にはあっという間に出来るようになるのが、子どもの特権ですから。

 そういう意味では、ヴァイオリンの始め時は、今のお子さんの年齢によるものではなく、親御さんがヴァイオリンを習わせてみたいと思った瞬間が、ベストタイミングなのかと思います。

 そして、いざ始めてみて、もしお子さんがまだレッスンについていくのが難しかったとしても、どうかお子さんを長い目で見守ってください。教師は、その子が毎週来てくれることがとても嬉しいことですし、いずれ時期がきて、成長していくその日を楽しみに待っているのですから!

 たくさんの子どもたちが、楽しいヴァイオリンライフを送れることを願っています。